浄土真宗のポピュラーなお経「十二礼」を中学生用に意訳してみた
こんばんは。エアリアルです。
今日は「十二礼」の意訳に挑戦しようと思います。
十二礼に関してはなかなか資料もなく、
こちらと浄土真宗の聖典に載っている「らいはいのうた」参考にしました。
このお寺に関しては、
お経の和訳だけでなく英訳も載っているということで、スゴいですね!
こうして、お経の意訳がある事ってありがたいことですよね。
僧侶のかたの多くの「お経をわかりやすくしたい、理解したい」という努力の成果が
後世にも伝わっていくわけですよね。
以下お経と、意訳になります。
【十二礼のお経・読み方】
【①】
稽首天人所恭敬 けいしゅてんにんしょくぎょう
阿弥陀仙両足尊 あみだせんりょうぞくそん
在彼微妙安楽国 ざいひみめうあんらっこく
無量仏子衆囲繞 むりょうぶっししゅういねう
【②】
金色身浄如山王 こんじきしんじょうにょせんのう
奢摩他行如象歩 しゃまたぎょうにょぞうぶ
両目浄若青蓮華 りょうもくじょうにゃくしょうれんげ
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【③】
面善円浄如満月 めんぜんえんじょうにょまんがつ
威光猶如千日月 いこうゆうにょせんにちがつ
声如天鼓倶翅羅 しょうにょてんくくしら
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【④】
観音頂戴冠中住 かんのうちょうだいかんちうじう
種種妙相宝荘厳 しゅじゅめうそうほうしょうごん
能伏外道魔驕慢 のうぶくげどうまけうまん
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑤】
無比無垢広清浄 むびむくこうしょうじょう
衆徳皎潔如虚空 しょうとくけうけつにょこくう
所作利益得自在 しょさりやくとくじざい
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑥】
十方名聞菩薩衆 じっぽうみょうもんぼさつしゅ
無量諸魔常讃歎 むりょうしょまじょうさんだん
為諸衆生願力住 いしょしゅじょうがんりきじう
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑦】
金底宝間池生華 こんたいほうけんちしょうけ
善根所成妙台座 ぜんごんしょじょうめうだいざ
於彼座上如山王 おひざじょうにょせんのう
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑧】
十方所来諸仏子 じっぽうしょらいしょぶっし
顕現神通至安楽 けんげんじんずうしあんらく
瞻仰尊顔常恭敬 せんごうそんげんしょくぎょう
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑨】
諸有無常無我等 しょうむじょうむがとう
亦如水月電影露 やくにょすいがつでんようろ
為衆説法無名字 いしゅせっぽうむみょうじ
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑩】
彼尊仏刹無悪名 ひそんぶっせつむあくみょう
亦無女人悪道怖 やくむにょにんあくどうふ
衆人至心敬彼尊 しゅにんししんきょうひそん
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑪】
彼尊無量方便境 ひそんむりょうほうべんきょう
無有諸趣悪知識 むうしょしゅあくちしき
往生不退至菩提 おうじょうふたいしぼだい
故我頂礼弥陀尊 こがちょうらいみだそん
【⑫】
我説彼尊功徳事 がせつひそんくどくじ
衆善無辺如海水 しゅぜんむへんにょかいすい
所獲善根清浄者 しょぎゃくぜんごんしょうじょうしゃ
回施衆生生彼国 えせしゅじょうしょうひこく
【十二礼の意訳】
【①】
浄土の世界の天人たちにも畏敬の念を持たれている
阿弥陀仏を礼拝し申し上げます。
清らかでこの上ない安楽の国にいらっしゃいまして、
多くの菩薩たちに囲まれて率いていらっしゃいます。
【②】
阿弥陀仏の金色の御身は清らかで須弥山(=インド神話におけるメール山)のようであり
善い行いはまるで象の歩みのように地道なものであります。
阿弥陀様の目の清らかなことは青蓮華のように美しいものであります。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【③】
阿弥陀様のお顔はまるで満月のようであり
ご威光は月日を超えて光りわたり
お声は、
天鼓(=打たなくても自然にきれいな音を発する太鼓)や
倶翅羅(=読み:くしら、声の美しい鳥)のようです。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【④】
観音様が着けていらっしゃる冠の中にとどまっていらっしゃって
種々のすぐれた宝でかざられている阿弥陀様は、
悪魔・外道・驕りを屈伏させることができます
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑤】
阿弥陀仏が汚れなく広大清浄なることは類いなく
おおくのさとりが顕らかで潔いことは虚空のようです。
全てのものをに対してめぐみを与える姿は思いのままです
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑥】
十方の世界の名のきこえた菩薩たちや数知れぬ魔王もつねにほめたたえる
人々を迷いや苦しみから救うために阿弥陀仏はさとりをもってとどまり、お迎えしていらっしゃいます。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑦】
金沙を底とし宝をまじえた池に生じた蓮華は
清らかな善い行いを積むことによってその花を咲かせる台座でございます。
阿弥陀仏はその上に須弥山のように鎮座していらっしゃいます。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑧】
さまざまな世界から集まる菩薩たちは
神通をもって、極楽浄土にいたり
尊きお顔を仰ぎみて常にうやまいます。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑨】
「あらゆるものの常なく、我の存在のないことは
水にうつる月の影や露・稲妻のようである」 と
私たちに諸行無常であることを説いていらっしゃいます。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑩】
極楽浄土には悪名さえもなく
また悪い行いの怖れもない
すべての人は心から阿弥陀仏を敬い申し上げます。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑪】
かの阿弥陀仏のはかりなき自利利他成就の浄土には
もろもろの迷いの境界や悪知識はございません。
往生してからなお迷わず仏のさとりに至ります。
だからわたしは阿弥陀仏を拝み礼をつくします。
【⑫】
わたしはいま阿弥陀仏の功徳をお話申し上げております。
多くの善い行いの数々の果てしないことはまるで海水のようです
自ら得たこの清らかな善い行いを
いろいろな人にもお伝えして、ともに極楽浄土に往生いたしましょう。
お読みいただきありがとうございました。